ポートレート

85mm単焦点レンズがポートレートに最適と言われる理由

85mmの単焦点レンズでポートレートを撮影する面白さ

ポートレートを撮影するのに最適な焦点距離と言われる85mm。私自身、カメラ雑誌に書かれていた「ポートレートには85mm」という言葉をそのまま鵜呑みにして、3年前、D600と一緒にAF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gを購入。

ポートレート撮影の経験を重ねていく中で、たしかに85mmの単焦点レンズはポートレートに向いていると感じました。ではなぜ85mmがポートレートに最適と言われるのか、85mmでポートレートを撮影してきた中で気づいたこと、学んだことを整理してみました。

なぜ85mmはポートレートレンズと言われるのか

85mmの単焦点レンズでポートレートを撮影する面白さ

85mmがポートレートに最適と言われる所以は、以下の3点にあると思います。

  • 背景をボカしやすい
  • ゆがみが少ない
  • モデルさんとの距離感がちょうどいい

それぞれについて簡単にまとめていきます。まずは背景をボカしやすいという点について。

背景をぼかしやすい

一般的に広角レンズほど背景をボカしにくく、望遠レンズほどボカしやすいと言われます。たとえば35mmの単焦点レンズと撮り比べてみると、間違いなく85mmの方が背景をボカしやすいと実感できます。

85mmは画角が狭い上に、中望遠レンズ特有の圧縮効果で、背景との遠近感をあまり感じられないように写すことができます。ごちゃついた場所で撮影をするときも、背景を整理しやすいのはとても便利。

もちろん、なんでもかんでも背景をボカせばいいというものではありませんが、私自身ポートレートを撮りはじめたころは、背景をボカした写真を撮れるだけで楽しかったものです。

あの頃のピュアな気持ち、忘れないようにしたいですね。(遠い目)

絞り開放で瞳にピントは難易度高し

85mmの単焦点レンズでポートレートを撮影する面白さ

背景をボカしやすい85mm。絞りを開いた方がより背景をボカしやすくなるわけですが、絞りを開くほどピントを合わせるのが難しくなります。絞り開放で撮ろうものなら、数ミリずれただけでピンボケ写真のできあがり。

手前の瞳にピントを合わせたつもりが、パソコンで見てみると奥の瞳にピントが来ていた、ということが私もよくありました。どれだけ高価なレンズを使ったとしても、瞳にピントをばっちり合わせられるようになるには、経験を重ねて腕を磨くしか道はなさそうです。

高いカメラを買えばAFエリアが広くなったり、ソニーのカメラには瞳AFなんて機能がありますから、多少はお金で足らない腕をカバーできるのかもしれませんが。

広角レンズはゆがむ、望遠レンズはゆがまない

85mmの単焦点レンズでポートレートを撮影する面白さ

次にゆがみが少ないという点について。まず広角レンズはゆがみます。超広角レンズのゆがみなんて、それはそれはもう強烈なこと。そのゆがみ利用して、わざと足が長く見えるように撮ったりするのも面白いのですが、それはまた別の話。

中学生の頃、湯上(ゆがみ)さんという学年がひとつ上の女性に恋をしていたのですが、それも今まったく関係のない話。美人だったなぁ。

話を戻しますが、85mmはゆがみが少なく、ありのままの姿を切り取ることができます。レンズのゆがみで足が長くなるだけならまだしも、顔が大きく写ったりするとモデルさんに失礼ですから、ゆがみの少ないレンズはポートレート撮影で重宝します。

撮影中のモデルさんとの距離感

85mmの単焦点レンズでポートレートを撮影する面白さ

最後に85mmで撮影するときの距離感について。カメラマンとモデルさんがお互いに顔見知りであればまだしも、いくら撮影といえど初対面の人にいきなり距離を詰められたら誰だって本能的に警戒します。

その点、各社から販売されている85mmの単焦点レンズは最短撮影距離が80~90cmであることが多く、近づきすぎるとピントが合わない仕様なのでパーソナルスペースが広めのモデルさんも安心。

冗談はいいとして、85mmのレンズはモデルさんと程よい距離を保ちながら撮影することができます。近すぎず遠すぎず、声をかけやすい距離と言った方が適切かもしれません。

ただ全身を撮ろうとすると、モデルさんから4メートル前後離れる必要があるので、ロケーションに合わせてレンズを選ぶ必要があります。

新品で購入可能な85mm単焦点レンズを徹底比較

85mmの単焦点レンズでポートレートを撮影する面白さ

各社から販売されている新品で購入可能な85mm単焦点レンズを簡単にまとめました。

ニコン、キャノンが販売している単焦点レンズ

まずは2大主要メーカーのレンズから。記載している最安値はこの記事を更新した当時の金額です。レンズの価格は日々変動するものなので参考程度にお考えください。

名称AF-S NIKKOR 85mm f/1.8GAF-S NIKKOR 85mm f/1.4GEF85mm F1.8 USMEF85mm F1.4L IS USM
メーカーニコンニコンキヤノンキヤノン
開放F値F1.8F1.4F1.8F1.4
レンズ構成9群9枚9群10枚7群9枚10群14枚
最短撮影距離80cm85cm85cm85cm
重量350g595g425g950g
最安値51,703円162,490円42,400円200,000円

ニコンのAF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gは軽くて扱いやすく、ストレートな描写で私も気に入って使っていました。値段が約3倍に跳ね上がるAF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gは、抜けのいいクリアな描写が評判。いつか使ってみたいです。

キヤノンの85mmは長らくf/1.2とf/1.8のみのラインナップでしたが、遂にf/1.4のレンズも登場。手ぶれ補正も搭載されていて、ポートレートがメインのキヤノンユーザーから喜ばれそうですね。価格はかなり高めですが…

手の届きやすい価格帯のEF85mm F1.8 USMは発売から10年以上経っていますが、なかなか評価が高いみたいです。

ちなみにキヤノンにはEF85mm F1.2L II USMという価格も重さも大きさも、すべてがモンスター級のレンズもあります。

シグマやタムロンなど、サードパーティ製レンズ

名称85mm F1.4 DG HSMSP 85mm F/1.8 Di VC USDPlanar T* 1.4/85Milvus 1.4/85
メーカーシグマタムロンカールツァイスカールツァイス
開放F値F1.4F1.8F1.4F1.4
レンズ構成12群14枚9群13枚5群6枚9群11枚
最短撮影距離85cm80cm100cm80cm
重量1,130g660g570g1,210g
最安値124,410円80,880円109,700円175,800円

続いてサードパーティー製のレンズ。タムロンの85mmは手振れ補正を搭載。柔らかいボケ味が評判です。手ぶれ補正が搭載されている分、純正のf/1.8レンズより価格が少し張りますが、使い勝手はよさそうです。

カールツァイスはもちろんオートフォーカス未搭載。一度は使ってみたいカールツァイスですが、マニュアルフォーカスだけでモデルさんの瞳にピントを合わせるのって、想像するだけで吐きたくなる難しさ。なかなか手が出せません。

そしてシグマからartラインの85mmが発売となりました。「究極のポートレート用レンズ」と銘打ったレンズで、描写についても期待せざるを得ません。絞り開放からカリカリ描写のレンズが欲しい方は、シグマの新しい85mmを試してみてはいかがでしょうか。

まとめ ポートレートを撮るなら85mmは試す価値アリ

85mmの単焦点レンズでポートレートを撮影する面白さ

背景をボカしやすくて、ゆがみも少ない。それでいてモデルさんと程よい距離を保ちながら撮影できる。85mmがポートレートレンズと言われるのも納得です。

これからポートレート撮影に挑戦してみたいと考えている方や、ポートレート用のレンズを1本持っておきたいと考えている方は、ぜひ一度85mmを試してみてください。きっとポートレートを撮ることが楽しくなりますよ。

58mmに浮気した私…

私の場合、かつてはポートレートの撮影で必ず85mmを持参するほど愛用していたのですが、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gを使うようになってからは利用頻度が激減。ポートレート撮影以外での用途も考えづらかったため、結局85mmは手放してしまいました。

決してAF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gがダメなレンズだったという訳ではなく、レンズの描写や撮影時のモデルさんとの距離感など、85mmより58mmのほうが私に合っていたというだけです。

自分は手放しておいて人におススメするというのは何ともアレですが、レンズ選びは好き嫌いや、合うか合わないかの世界ですので、と言い訳しておきます。

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