今年も秋が来ましたか。と思っていたら、いつの間にか冬もすぐそこまで来ていたみたい。朝の6時を超えたころ。念のためと持ってきていたマフラーを手放せなくなるほどの寒風。
夏の屋外撮影もなかなかに苛酷でしたが、冬の撮影も生半可な覚悟で臨んではいけないのね。自分ひとりで完結する撮影であれば鼻水垂らしながらでも気にせず撮り続けるのだけど。人前で鼻水を垂らして平然といられる勇気なんて、私にはなかった。
青白い新宿の朝
朝の光は青い。この日は雲が多くてなおさら青白い。午後から雨がぱらつく予報で拝めそうにもない朝日。欲しい光があったのだけど、お天道様の気分に左右されてしまうのは何とも悔しいものでして。
ないものを嘆くより作ればいい風だって。昔、どっかのフォークデュオが歌ってた。風を自由に生み出すにはまだまだ鍛錬の足らない私。だけど光は生み出せる。太陽拳も未だマスターできていないので、ストロボを使いこなせるようにならないと。
東京オフィスレディ
今回撮影させていただいたのはゆりえさん。普段は都内の某企業でOLをされているそうです。そういえばオフィスで働く女性をオフィスレディと呼ぶのに、オフィスで働く男たちの呼称ってないですよね。
オフィスジェントルマン。いや、これはしっくりきません。オフィスボーイ。なんか安っぽい。オフィスメン。アベンジャーズに出てきそう。オフィスダンディ。・・・これだ。
朝の新宿は夜行バスで東京にやってきた人がわらわらと。私も就職活動で初めて東京に来たとき、降り立ったのが新宿西口でした。6時すぎに到着して面接までの数時間をつぶすために、近くの漫画喫茶に入ってコーラ飲んでたのが懐かしい。
夜行バスで幾度かの往復を経て、今こうして東京でオフィスダンディをしているわけです。朝から晩までパソコンに向かってカタカタカタカタと。あれ、なりたかった自分ってなんだったっけ。
五反田オフィスダンディ
「丸の内でOLをしてます。」ランチにお金かけてそう。「渋谷でOLしてます。」IT関係の企業に務めてそう。「恵比寿でOLしてます。」いつでも脱げる人が多そう。「五反田でオフィスダンディしてます。」怪しいお店にしか思えない。
やれ線路に人が立ち入っただの、やれ時間調整だの。素直さを忘れた山手線に押し込まれて、今日も僕たち私たちは東京で働くのです。現代社会に強く生きていく人たちを、私は写真に収めたい。垂れてくる鼻水をすすりながら、改めてそう思うのでした。
ゆりえさん、寒風吹きすさぶ早朝の撮影にお付き合いいただき、ありがとうございました!
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