AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8E FL ED VRを購入しました。2016年11月に旧型からリニューアルする形で発売された、大三元の一角を担う最新型の望遠ズームレンズ。
正直なところ、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gを購入したときほどの感動はなくて。
仕事で必要だから購入した、というのが本音でした。テスト撮影でも、まずは距離感をつかめればいいやと、粛々とこなすつもりだったのです。
ですが、実際にパシャパシャと撮影してみて、パソコンで写真をチェックしてみて……もうね、とても冷静では居られませんでした。
このレンズ、スゲェェェェェエェェエエエェッッッッ!!!フゥゥゥウウゥウゥゥゥウウゥゥゥッ!!!イエェェェェエエェエエェェェエェイッッッッ!!!…というのが今の素直な心情です。
上野動物園で70-200mm f/2.8Eのテスト撮影
せっかくの望遠レンズ。どうせテストするならと、上野動物園へ行ってきました。小雨がぱらついていましたが、なんつったって防塵防滴。細かいことは気にせずテスト撮影を決行です。
名物のパンダが見られない状態だったのは残念。
かつてマイクロフォーサーズのカメラを使っていて、LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6という高倍率ズームレンズを買ったときも上野動物園にテスト撮影に来たのです。
当時撮影した写真と、今回撮影した写真。センサーサイズが違うという大きな差はありますが、もう全然別物。
コロコロコミックに出てくる少女キャラしか見たことのなかった小学6年生男子の目の前に、いきなり叶姉妹が現れるくらいファビュラスな衝撃。
爆速オートフォーカス
オートフォーカス(AF)も爆速。2017年2月現在、ニコンが販売しているレンズの中で、最もAFが早いのはAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRなのでは、と思っていますが、AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8E FL ED VRも同じくらい早い。
AFをONにした瞬間、シュッッ!!とフォーカスが合います。のそのそと動き回る虎をAF-Cモードで撮影してみたのですが、AFポイントがしっかり食いついてくれて、ピントを外したカットはほとんどありませんでした。
羽毛1本1本までびっしりと解像
レンズの解像力も、文句の付け所がありません。
3635万画素のD810を使っているから、という点も加味しないといけませんが、撮影した写真を等倍で見てみると、羽毛の1本1本までびっちりとシャープに解像しています。
ズーム全域で、解像力に定評のある従来のAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIよりさらに解像力が高く、画像周辺部まで安定した解像性能を発揮します。
色収差をはじめとする諸収差を効果的に補正する蛍石レンズ、高屈折率(HRI)レンズ、6枚のEDレンズの採用、ゴーストやフレアを低減するナノクリスタルコートの採用とあいまって、卓越した描写性能が得られます。
旧型よりもさらに高解像度になったそうで、パソコンのディスプレイから触感が伝わってくるくらいにリアル。
象の顔はこんな手触りなんだろうな…このふわふわした羽の部分はこんな感じなんだろうな…叶姉妹のおっぱ(ry……と、とってもグッドルッキング。
どんな図鑑で見るよりも、リアルな動物が目の前に居るのです。特別動物が大好き!という訳ではないのですが、ここまで精細に写せるのは猛烈に楽しいです。
70-200mm f/2.8Eは高性能な分、しっかり重い
AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8E FL ED VRの重量は1,430g、カメラと合わせると約2.5キロ。持ち歩く分にはそこまで重さを感じませんが、ファインダーを覗きながらシャッターチャンスを待っていると、レンズを支える腕にじわじわと乳酸が溜まってきますね。
筋肉で解決できることは、写真の世界に限らず山のようにたくさんありますが、長時間の撮影になるときは三脚や一脚を用意したほうがよさそう。
この日は天気も悪く、園内は人がまばらでしたが、近所の幼稚園児なのか、黄色い帽子をかぶった小さいお友達がたくさん。
動物を見ながらワー!キャー!と楽しそうに騒いでいるのを横目に、大きいお友達は一人黙々と動物の写真を撮影。
口や態度には出さないけど、おじさんもテンションあがってる。ウホオォォォォオォォォ!!
最短撮影距離は約1メートル
最短撮影距離は1.1メートル。望遠レンズなのですから、被写体にがっつり寄れないのは当然と思っていました。それでも旧型の最短撮影距離が1.4メートルだったことを考えると、技術進歩でそこそこ寄れるようになっているみたいです。
今回のテスト撮影では試していませんが、近いうちに春の花でも撮影してみようと考えています。マクロレンズほど被写体に寄ることはできないとしても、望遠レンズだからこそ表現できることはたくさんあるはず。
ポートレート撮影でも大活躍の予感
70-200mmはポートレート撮影でもよく使われている画角。私の場合、ポートレート撮影でAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gばかりを使ってきたので、モデルさんとの距離感をつかむのに苦労しそうな気がします。
200mmの絞り開放でバストアップを撮影しようものなら、背景をテロテロのボケボケにできるでしょうし、ぜひとも試してみたい。
でも大声を出さないとモデルさんとコミュニケーションできないよな…と不安もちらほら。近いうちに屋外撮影で試してみます。
購入価格は楽天のマップカメラで約28万円
今回は楽天のマップカメラで購入、税込で278,190円でした。数日前には税込27万円ぽっきりだったのに、ポチろうと決意した日には29万円を超えていて、そこから2日ほど待っていたら、また値が落ちてきたので発注。
27万円のときに買っていれば…ぐぬぬ。
Amazonの方が若干安かったのですが、レンズの保護フィルターがオマケでついてきて、梱包もクッソ丁寧なので、迷わずマップカメラへ。
今回もエアクッションもりもりの、配送業者にぶん投げられても安心な梱包でした。マップさん、いい仕事してます。
ニコンの大三元レンズをコンプリート
2015年1月。風景はたまにしか撮らないくせに、ノリと勢いでAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDを購入。続いて2016年8月。会社員を辞めてフリーランスとして独立した際に、仕事でもバリバリ使えるようにとAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRを購入。
そして2017年2月、AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8E FL ED VRを購入。ニコンの誇る大三元レンズを、ついにコンプリートしてしまいました。
投資分をきっちり回収できるように頑張って働かないと…というプレッシャーもありますが、これだけ高性能なレンズ、もう機材のせいには出来ません。
レンズのパフォーマンスを最大限に発揮させられるように、腕を磨かないとです。
まだ少ししか試せていませんが、AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8E FL ED VR、恐ろしいほどに素晴らしいレンズです。イエェェェェエエェエエェェェエェイッッッッ!!!
70-200mm f/2.8Eで撮影したその他の作例
実際にAF-S NIKKOR 70-200mm F2.8E FL ED VRを使用して撮影したほかの作例を数点ご紹介します。ポートレートばかりですが、ご容赦くださいませ。
バストアップの構図で切り取ると、背景が完全にとろけます。このボケ感は50mmや35mmのレンズでは演出できない表現ですね。
最短撮影距離が短いのも、ポートレートで使いやすいです。
望遠レンズの圧縮効果をうまく使えば、菜の花畑がすぐ近くにあるように見せることもできます。望遠レンズならではの表現で、撮っていて楽しいです。
こちらもモデルさんから10mくらい離れていたところで咲いていた桜を背景に使ってみました。200mmの絞り開放で撮影しています。
こちらは焦点距離170mmの絞り開放で撮影したもの。背景がテロテロにボケます。開放で撮ると、どうしても丸ボケはレモン型になってしまいますね。
こちらはf/4まで絞って撮影。モデルさんに自由に動いてもらいながらの撮影だったのですが、オートフォーカスをAF-Cに設定しておけば、ばっちりAFが食いついてくれます。
私の場合、動きが早いものを撮る機会はほとんどないのですが、スポーツの撮影などでも活躍しそうです。
花を撮影した作例も最後に一枚だけ。ポートレートばかり撮影している私ですが、たまには花や風景も撮影します。このレンズで風景をガッツリ撮りに行ったことはないのですが、秋の紅葉シーズンや冬のイルミネーションで使ってみたいです。
購入して約半年、値段に見合う素晴らしいレンズです。
- AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8E FL ED VRで春のポートレート撮影
- 大三元レンズ70-200mmは屋外ポートレート撮影で最強説
- 70-200mmの望遠レンズで満開の菜の花畑ポートレートを撮影
- ニコンの70-200mm f/2.8Eで五分咲きの桜ポートレート撮影