「写真を趣味にしてみたい」
いつかの私がそんなこと言うもんだから、ビックカメラで大枚叩いて購入したの。カメラはお金がかかると知ってはいたけど踏み込んでみたかったカメラ小僧の道。
もうね、自力では脱せない。
写真を撮り始めてもうすぐ3年、底知れぬ沼の深みに怯える日々よ。気づくのが遅かった、レンズ沼がただの入り口にしか過ぎなかったんだって。
あのときビックカメラに足を踏み入れた瞬間、私はすでに逃げ場を失っていたのね。
これから一眼レフでも買ってみようかしら、だなんて思っている人がいるならば。引き返すのは今のうちよ。
レンズ沼は始まりに過ぎなかった
カメラを理解して、写真を知れば知るほど、欲しくなるのがレンズだけじゃないことに気づく。
ストロボがあれば写真の幅は一気に広がるけど、複数台あればもっとできることが広がる。三脚だって用途に分けていくつかあったほうが便利だ。
仕事として写真を撮る時なら突然の機材トラブルに備えてサブカメラも必要。
自宅でレンズを保管するなら防湿庫もあったほうがいい。湿気でレンズがダメになるなんて恐ろしすぎる。10万円超えるレンズもザラにあるし。
レフ版も用途に合わせていくつか欲しいし、フィルムカメラも触ってみたい。そしてフィルムで撮るなら露出計もあったほうがいいかな。なんなら自宅で現像もやっちゃう?いや待て、そっちの沼には行くな・・・
撮影会に行けば綺麗なお姉さんを撮影できるけど、1回1万円くらい平気でするし。とある界隈には写真を撮ることよりも綺麗なお姉さんを追いかける沼にはまる人もいるようですがね。
撮って終わりじゃない
まだだ、まだ終わらんよ。沼の深みはまだまだここからよ。
パソコンだってRAW現像をガリガリやるなら、それなりのスペックが必要。いつかRetinaディスプレイのマックブックプロをメモリ16Gにカスタマイズして買いたい。
ディスプレイだってプロ用のものだとカメラのボディより高くなる。
大量のデータを保管するHDDも、長期的な保管を考えたらバックアップ用のHDDも必要だし、快適な運用を考えたらNASを設置した方がよさそう。
撮影データはできれば消したくないから、どんどんデータが溜まっていくことになる。HDD沼・・・
撮りに行くにもお金がかかる
絶景を撮りに行こうと思ったら交通費もかかる。夜中に自由に移動しようと思ったら車が必要。チャリでは限界がある。
免許は一応とってるけど、社会人になってから車なんて運転してない。ゴールデンペーパードライバー。
マチュピチュとかウユニ湖とかにも行ってみたいけど、そんな簡単に行けるかい。お金だけじゃなくて時間も膨大にかかる。なかなかそんなまとまった休みはとれませんよ。
というか写真を撮る撮らないに関係なく、海外行きたい。
ビーックビックビックビック・・・
・・・沼に足を踏み入れたが最後、底なき道をゆくのです。
ときにゆっくりと、ときに素早く、深みへとはまってゆくのです。
限りある懐と相談をしながら、ときに嫁の視線を掻い潜りながら、私たちカメラ小僧は日々を生きてゆくのです。
レンズ沼?そんなものは最早怖くありません。本当に恐ろしいものはその先で待っているのです。
ほら、今日も私たちを手招いてる。こっちへおいでと呼ぶ声がする。
そして機材を揃えたところで技術が上がるとも限らない。時間と技術はお金で解決できない。必死に考えて、工夫しながらたくさん撮るほかに道はないの・・・
さあ引き返すなら今のうち。
大きな街を一人で歩くのは危険。主要な都市には彼らが住み着いてる。ほら今も、笑顔で私たちを手招いてる。ビックカメラに足を踏み込んだら最後、もう帰ってこれない。
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