フルサイズ対応でf/2.8の明るい標準ズームレンズが欲しい!
ニコンのD610を使うようになって1年弱、これまで単焦点レンズにこだわってきましたが、娘の誕生に合わせて新しいレンズを発注していたのです。タムロンのSP AF 28-75mm F/2.8(Model A09)というレンズ。
2008年発売と少し古いモデルですが、28mmから75mmの焦点距離を絞り開放f/2.8で使える明るいズームレンズ。楽天のマップカメラで購入したのですが、価格.comの最安値よりも1,000円安い金額でした。
1万円ちょっと楽天ポイントが貯まっていたので、保護フィルタもあわせて実質の負担は2万円ちょっと。ニコンの純正レンズと比べると価格差は歴然。安すぎィ…まだ使いこなせていませんが、これは間違いなくいいレンズですわ。
初めてのタムロンレンズに高まる期待
ちょっぴりレトロな雰囲気が漂うパッケージですね。ニッコールレンズの金箱が派手なだけでしょうか。趣味としてカメラを触り始めて2年ちょい、はじめてサードパーティ製のレンズ購入です。
サードパーティ製のレンズはピントが合わなかったり、モノによってばらつきがあったりとアタリハズレがあると聞いていましたので、多少は不安もありましたが、安さの魅力に負けて思い切ってポチってみました。
A09の金色帯はちょっとダサい
このモデルA09というレンズは生産された時期によって微妙にレンズのデザインが異なるようです。価格.comなどで見ていた限り、このような金色の帯は無かったんですが・・・私のレンズにはばっちりついてました。
真っ黒ボディの方がカッコいいような気がするけど・・・こればかりは仕方ありません。プラスチック感が満載のボディですが、程よい重みもあって、パッと見はそこまで安っぽく感じません。
テレ端だとこんな感じ。結構伸びます。ズームリングがちょっと重いですね。ユルユルよりはマシですけど、ちょっと力入れないと動かない感じ。フォーカスリングはかなり軽く、AF時にシャコシャコ動きます。これはちょっと驚きました。
ネットで書かれていた通り、AFはそんなに早くない印象です。でも普通に使うには問題ないレベル。また、AF時にフィー!フィー!と音が鳴りますが、これも対して気にならないレベルです。3万円のレンズに贅沢を言ってはいけません。
保護フィルターはマップカメラオリジナル
レンズ保護用のフィルターはマップカメラオリジナルのものを買ってみました。67mm径で1,600円と安かったんです。レビューを見る限り、大きな問題は無さそうだったので買ってみました。
フィルターってモノによっては結構高いですよね。そりゃ高性能なフィルターの方がレンズの性能を発揮しやすくなるんでしょうけど。モノは試しです。あまりに問題があればちゃんと高いフィルターを買い直します。
フィルターをレンズに装着するとこんな感じ。外枠に何も書いていなくて、すごくシンプルです。外枠にごちゃごちゃ書かれているフィルター、あまり好きじゃないんです。フードをつけていると見えませんが。これはシンプルでいいじゃないですか。
まだ限られた環境でしかテストできていませんが、問題はなさそう。レンズ保護用のフィルターは今後マップカメラでいいかな・・・
タムロンA09は欠点もあるけど使いやすい
描写については別途まとめたいと思いますが、ざっと試してみた感触としてはかなり良さげです。ボケも柔らかく、解像感も悪くありません。ポートレートにも使えそうですし、スナップにもばっちり。風景にはどうだろう・・・今度試してみよう。
AFはめちゃめちゃ早い!という訳でもなく、一度迷うと行ったり来たりします。フルタイムマニュアルは未搭載なので、瞬時にマニュアルでフォーカスを合わせるのは少々厳しい。
それでも3万円台の標準ズームレンズなのにf/2.8の明るさで撮れるのは素晴らしいと思います。最短撮影距離も30センチちょいと短く、被写体にかなり寄れるのも素敵ポイントの一つ。テーブルフォトも撮りやすいですよ。時間をかけて色々撮ってみようと思います。
追記:室内でテスト撮影を実施
早速タムロンA09を使って室内でテストしてみました。
オートフォーカス時にシャコシャコと音が鳴るんですが、どこか懐かしい気がしていたんです。ロボコップが歩くとき、こんな効果音だったような・・・
うぃーん、かしゃっ・・・うぃーん、かしゃっ・・・ふぃーふぃーふぃーって。(伝わらない)
レンズとしてはB級品と判断されてしまうかもしれませんが、ロボになった気分を味わえて極一部の層にはウケそうです。
絞り開放は周辺減光がキツイ
先ほどの写真、無加工の状態がこちら。絞り開放で撮ったのですが、周辺減光がかなり激しいです。四隅がげっそり暗くなっています。Lightroomのプロファイル補正で一発ではありますが、Lightroom持ってないとどうにもできないんじゃ・・・
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDなども絞り開放で撮ると周辺減光ががっつり出ます。でも味のある落ち方というか、なだらかに減光するので嫌いじゃないんです。A09の周辺減光はあまり好きじゃないかな・・・
右側の方が落ち方が激しいですよね・・・これもしかすると初期不良ってやつかしら・・・
ワイド端だとあまり寄れない
タムロンA09は正式名称にMACROという文字が記載されているくらい、被写体に寄れるのも特徴です。ワイド端の28mmで最短焦点距離まで寄ってみました。28mmだとギリギリまで寄っても、結構離れているように見えますな。
そしてこちらも絞り開放で撮っていたので、周辺減光が激しく現れています。ワイド端にしてはボケが綺麗に感じます。厳密にチェックしていませんが、ピントのずれは無さそうです。
テレ端だとかなり寄れる
テレ端の75mmだとここまで寄ることができます。MACROと名がついているのは伊達じゃないですね。花や昆虫を大きく撮ろうとするなら別ですが、普段使いではここまで寄れれば十分です。
料理も十分撮れますし、ダンボーのようなちょっとした小物もばっちり撮れます。背景のボケもいい感じに柔らかくて気に入ってます。ここまでボケれば私の用途には問題なしです。やっぱり周辺減光が気になりますけど。
屋外の風景撮影でもテストを実施
仕事で京都へ行った際、外付けストロボのSB-700と標準ズームのタムロンA09だけを持ってきました。A09は買ったばかりでまだ使いこなせていないので、テストがてら京都駅近辺を散歩です。
仕事をさぼっているわけではございません。ロケハンです。ロケハン。
絞るとまぁまぁシャープ
京都駅の中央口から出たあたりでぱしぱしと。相変わらず外国人観光客の多いこと。駅のコインロッカーに大きな荷物を預けにいったんですが、平日にもかかわらずコインロッカーが殆ど埋まってる・・・
紅葉にはまだ少し早い気がするけど、クソ暑い夏が終わったことをきっかけに観光シーズンに突入したのかしら。一眼レフをぶら下げて歩いている異国の皆様方も多かったですが、キヤノンとニコンが半々くらいですね。
それはそうとタムロンA09、絞るとそこそこシャープに写りますね。絞り開放だとのっぺりとした画になりますが。よく言えば柔らかい、悪く言えばぬるい。f/5.6あたりだとボケと解像度のバランスが良さそう。
単焦点レンズと比べてはダメ
D600を購入してからずっと単焦点レンズを使ってきたせいか、A09の画がどうしてもぬるーく感じてしまうのです。絞り開放でゆるくなるのは仕方ないにしろ、少し絞って撮っても、単焦点レンズで撮った写真とは結構な差がある。
これまでは単焦点レンズで撮ることが当たり前だったので結構な衝撃でした。ナノクリスタル搭載の大三元標準ズームであれば、単焦点レンズにもヒケを取らないのかもしれませんが。
単焦点レンズの高解像度をとるか、ズームレンズの利便性をとるか。ちゃんと考えながらレンズを選ばないとダメですね。
仕事の撮影でもA09を使ってみたんですが、妙に暗くなったり明るくなったり。イマイチA09の特徴をつかみきれていません。都度露出補正をしたり、マニュアルモードで撮ってみたり。色々試しながら少しずつ使いこなしていこうと思います。
買う前から覚悟はしていましたが、動体の撮影でもなかなかピントが合いづらいですね。A09の欠点もたくさん見えてきましたが、それでもこれ1本で標準域をカバーできるのは大きなメリットです。
SP AF 28-75mm F/2.8 A09のその他作例
ほかにもタムロンA09を使用して撮影した写真を数枚ピックアップしました。レンズ選びの参考になれば幸いです。
旅行に持っていきやすいサイズ
軽くてコンパクトなレンズなので、旅行や出張の際に持っていきやすいのが嬉しいです。焦点距離で28mmから75mmをカバーしているため、このレンズ1本で基本的なものは撮れますね。
旅行に行くとき、荷物の都合で1本だけしかレンズを持っていけないとなれば、私はこのレンズを選びます。
万能レンズは風景写真でも活躍
広角端が28mmというのは、風景を撮るときにちょっと狭いと感じるときも正直あります。ただそれも使い方次第なので、頑張ればそれなりの写真は撮れるはずです。
絞り開放付近ではふんわり描写のこのレンズですが、しっかり絞ればカリッとした描写も演出できます。より広い画角が必要な場合は、超広角ズームを別で買いましょう。
三脚とクロスフィルターを使えば、冬のイルミネーション撮影でもこのレンズは活躍します。このレンズの重量は510gと、一般的なズームレンズの中でも軽い方なので、比較的安価な三脚(耐荷重が2kg程度の三脚)でも十分にイルミネーション撮影が可能です。
東京駅近くのキッテの屋上庭園から東京駅の定番カットを撮影。ここは三脚も一脚も使用禁止の場所ですが、手すりのつなぎめにカメラを設置すれば長時間露光もバッチリ。ここでもA09の軽さが活躍します。
人混みでもみくちゃになっているお神輿を撮ったときも、レンズの軽さが重宝します。このときは片手だけで、かつノーファインダーでシャッターを切りまくっていました。
それと万が一レンズが壊れてしまっても、3万円ちょっとならまた買えばいいかな…と思えるところも、このレンズの強みかと思います。(くれぐれも機材は大切に)
子どもの撮影でも大活躍
子どもの撮影でもこのレンズは大活躍です。0歳〜2歳であれば基本的に広角レンズや望遠レンズが必要になる場面ってほとんどありませんし、絞り開放で撮影すればふんわりと柔らかい写真を撮ることができます。
何より寄れることが大きなメリットですね。マクロレンズを別に買わなくとも、このレンズ1本あれば十分。AFがちょっと遅いところは、動き回る子どもを撮るときに少しつらいと感じるときもあります。
ポートレート撮影でも活躍
ポートレート撮影でもこのレンズは活躍します。コミケのような大きなイベントでも、このレンズ1本あれば基本的に問題ないですね。 軽いレンズなので、長時間持ち運んでいても疲れないのも嬉しいところ。
テレ端の75mm、絞り開放で撮影すれば背景をしっかりボカすこともできます。
こちらは新橋の町並みで撮影させていただいたポートレート。絞り開放付近の描写はふんわりと柔らかく、(悪くいえばモヤッとしている)肌をなめらかに表現したい女性のポートレート撮影では特に重宝します。
シャキッとした描写や、カリカリの解像度を求めるのであれば、このレンズは使わないほうがいいと思います。単焦点レンズや大三元レンズの購入をおすすめします。
A09は色々撮れるコスパ最強万能レンズ
2年以上、このレンズを使い続けてきました。フルサイズセンサー搭載のカメラをお持ちの方であれば、1本持っておいて損はしないレンズだと断言できます。
かなりタフに使っていますが、(今のところ)壊れる気配もないですし、軽くてコンパクトなのにf/2.8で撮れるというのは唯一無二の存在。レンズの描写は好き嫌いが別れるところですが、どんなレンズでも使い分けが大切と思います。
年数が経つごとに手持ちのレンズも増えてきましたが、このタムロンA09は手放すことなく、これからも大切に使い続けていきます。
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α7RIIでアダプタ経由で使用。このレンズはボヤっとする。
タムロンではこないだ出た28-200(F2.8-5.6)は素晴らしかった、特に28㎜は純正単焦点を上回るかもしれない。これもお買い上げ。28-75㎜F2.8(A063)もかなりよさげ。検討している。
冬に雪中で単焦点を取り換えるのはつらい。といって純正GMでは高すぎるし、重くデカすぎる(GM2はかなり軽くなったようだけども)
タムロンの品質向上が著しい。ミラーボックスがなくなったことがそれほど効いたのだろうか。ニコンやキャノンの新レンズも同様のようだ。