ブログに掲載していた写真が無断で複数の商用サイトに転載されていた問題。ちまちまと粛々と対応をしていたのですが、各サイトから様々な対応と回答を得られました。
写真やイラストなどの著作物が商用サイトに無断で利用される問題は今に始まったことではなく、何番煎じだよといった突っ込みは全面的に受け入れざるを得ません。ただ私自身、今回のやりとりを通じて学べたことがたくさんあったので、簡単にまとめておきます。
無断転載先の多くは文句を言えばすぐに削除してくれる
写真の無断転載を確認したサイトには以下のようなメールを送りました。
ご担当者様
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
この度、貴社サイト(該当ページのURL)で
私が撮影し著作権を有する写真の無断転載を確認いたしました。
転載元は私が管理しているブログ(ブログのURL)です。該当写真の掲載を即時中止いただくことと、
写真の使用料金をお支払いただく点についてご相談したく、
●月●日(●)●:00までにメールにて返信を
いただけますようお願い申し上げます。
こちらのページで紹介されていた文面を参考にしました。
対応は早いものでした。半日も経たないうちに低姿勢でご丁寧な謝罪メールがばらばらと返ってきて、該当画像や記事そのものを削除してくれたところがほとんど。某大手コスメサイトが運営しているメディア()だけは写真は消してくれたものの、一言も謝罪がないケンカ腰のメールをよこしてきましたが。毛も生えそろっていない学生バイトが運営しているのでしょうか。
「法律に違反してないし画像の削除もしなければ費用も支払わない!」という何ともアレな回答がきたら、私も勉強不足なのでどういう法律や条例をどのように解釈しているのか教えてくださいと返そうと思っていたのですが、ほとんどがすんなり削除対応してくれて肩透かしをくらいました。
使用料金に関しては予想通り完全にスルーされる対応がほとんどでしたが、お支払しますと言ってくるところもあったり、弁護士に確認しますという回答もあったりと対応がマチマチ。
実際のところ、こちらが何かしらの損害を被ったわけではないので、お金を支払ってもらう必要はありません。写真を勝手に使われてむかついた、というのが根本。それだけで金を払えというのはヤ○ザと変わりありません。仕事として写真を撮影されているカメラマンさんはきちんと請求すべきだと思います。全力でどうぞ。
支払いをふっかける行為自体もよくないと理解はしてますが、どういう反応が返ってくるのか興味がありまして。ささやかな反撃です。不躾なメールを申し訳ございません。
某コスメサイトのケンカ腰担当者とはもう少しやりとりをしたいのですが、もう返事がこない雰囲気。転載ではなく引用ですと言い訳される方もいましたが、転載と引用の違いを正しく理解してないような輩がまとめサイトを運用してんじゃねえぞと。転職しろ。
引用と転載のちがいとは
引用の定義は以下の通りだそうです。
・本文が「主」であり、あくまでも引用部分は「従」であること
・引用する必然性があること
・段落を変える、「」をつけるなどして、引用部分を明確にすること
・引用元について明記すること
多くの無断転載サイトの場合、そのページのメイン画像として使っているところもあったり、「引用部分であることを明確にする」に該当しないため私は引用ではなく転載だと断定しています。
出展元としてURLを表記しているだけじゃダメなんですよ。
文句を言われる前提で成り立ってるサービス
いくつかのサイトでは、文句を言えばブラックリストに登録してくれるみたい。つまり関わると面倒くさいサイトとして、画像を転載できないようにシステム上でブロックしてくれるらしい。だけどこれは文句を言ってこないサイトに関しては、引き続き画像を無断で使い続けますということでもあって。モヤっとした感覚は抜けきらない。
そもそも各記事に「内容について連絡する」というリンクが設定されていて、権利侵害に関する抗議を送るためのフォームもきっちり整えられていて、抗議に対する回答メールも隙のないマニュアル対応で。文句を言われる前提でサービスの仕組みが作られていることにもモヤモヤ。問い合わせフォームすら設置できていないサイトもちらほらありましたが。
それでも直接文句を言ってくる人の方が圧倒的にマイノリティなのでしょう。自分の写真を勝手に使われていることに気づかない人が大多数。犯罪にもならないし、文句を言われない限り勝手に使い続けるという判断。金を儲けるためなら何をやってもいいの?「いいんです」という回答なのでしょう。
NAVERまとめとか大手サイトがやってるから、うちもマネして大丈夫と安易に判断しているところが多いように感じます。赤信号みんなで渡れば怖くないってやつですか。みんなまとめてロードローラーにひかれてしまえ。ウリィィィ!
写真を勝手に使う側にいいたいこと
せめて使う前に連絡を入れるべきじゃないでしょうか。「この写真使いたいんですけど」と。断られることもあるでしょうし、金払えと言われることもあるでしょうけど、それでいいじゃない。似たような写真なんて山ほどあるのだから、求める条件に合わなければ他をあたればいい。
仕事で写真を撮っている人でない限り、多くの場合「写真を使いたい」と言われたら嬉しいと思う。若くて綺麗なお姉さんからお願いされたらもっと嬉しい。私も事前に打診があったなら、どうぞどうぞと快諾していた気がする。繰り返すけど勝手に使われるのが一番むかつく。
そもそもWebサイトに写真を載せたいときって、元々所持している写真を使うか、フォトストックサイトから購入するか、フリー素材から探すか、カメラマンを手配して新たに写真を撮るか、自分で撮影するか、が正しい選択肢じゃないですかね。誰かが撮った写真を勝手に使っていいなんて、いつからそうなったのですか。
加えてメディアやニュースサイトを名乗るなら自分たちできちんと取材して記事を作ることが必要ではないでしょうか。これはもう古い考えなのかもしれませんが。
さすがにPR記事は各サイトちゃんと自前で作っているように見えます。ただ一般のキュレーター()が書いている記事の多くがパクリ写真と薄っぺらい内容で構成されてる。あなたたちはキュレーターでもライターでもなくパクラーと名乗ればいい。
写真をネットに載せる側が考えないといけないこと
無断で写真を使われた側にまったく落ち度がなかったかというと、そうでもないと思っていて。私の場合、写真にクレジットを載せておらず、ブログにコピーライト表記はしていたものの無断転載ダメよと明記をしていませんでした。対策が不十分だったともいえます。
写真そのものにクレジットを載せておけば、使っちゃまずいんだなと思う人は多いみたいで。クレジットが載ってなくても無断で使用してはいけない写真はたくさんあります。でもそんなこと知らない人が大多数なわけです。
なので私も今後掲載する写真にはすべてコピーライトの表記をつけることにします。ブログのフッターにも無断転載を禁止するとの一文を加えました。見栄えが良くないので今まで載せていなかったのですが、仕方ありません。
無断で使用されるのはGoogleの画像検索で私の写真が出てきてしまうことが要因のひとつになっているように思います。対策できるものならしたいところ。サイト内で右クリック禁止とかやったところで、キャプチャとられたら意味ないですし。
パクられないための究極はネットに写真を掲載しないことですが、それはちょっと極端すぎる。結局はイタチごっこになりそうですが、地道に対策をしていきたいと思います。レッツイタチプレイ。
知識がないと知識のある輩にカモられる
それなりに規模の大きいキュレーションサイト()には法律や著作権に精通した担当者がいたり、外部の専門家もついていることでしょう。犯罪にはならない領域でうまく金を稼ごうとしているのだと思います。かつてお世話になった人が言ってました、最も金を稼げるのはグレーゾーンだって。
今回いくつかのサイトとやりとりしてみてわかったことですが、対応に隙があるところもチラホラ。全国津々浦々で暗躍されているインテリヤ○ザの皆様は、流行に乗っかってうまい汁を吸わんとしている無断転載しまくりのまとめサイト、特に規模が小さめのところを狙って訴訟しまくってみてはいかがでしょうか。あまり儲かってないところも多そうだから、うまみは少ないかもしれませんが。
何も知識を持たずに写真をネットで公開していると、知識を持った輩に勝手に商売に使われる。インターネットを利用するのであれば、正しい知識と対策で自分自身も武装しないといけない。結局は自分の身は自分で守らないといけないということですね。ネットの世界も物騒なものです。
今後も無断転載を発見した際は粛々と対応をしていきますし、今回の一件で私も色々と勉強させていただきました。もし当サイトに掲載している写真やイラストを使用したいという物好きな方がいらっしゃれば、若くて綺麗なお姉さんと一緒に直接お話に来てくだされば全面的に協力させていただきたいと存じます。